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 コラム

2025.10.02

常温粘着工法とは?火気を使わない防水工事のメリット・デメリットと施工方法

「常温粘着工法ってどんな工法なの?」

「火気を使わないと聞いたけど、防水性能は大丈夫?」

「熱工法やトーチ工法との違いや、費用を知りたい」

常温粘着工法は、アスファルト防水の一種として開発された防水シート系工法です。

従来の熱を使う工法が抱えていた「火気」や「臭い」の問題を解決するために、常温で強力な粘着力を発揮する改質アスファルト材を使用します。

トーチ工法等と比較して、現場環境に配慮できる施工方法として、

病院

学校

住宅密集地の改修工事

での需要が高まっています。

今回の記事では、

常温粘着工法の概要

優れたメリット

留意すべきデメリット

正確な施工手順

費用

そして、他の防水工事の種類との比較まで詳しく解説します。

防水工事の選択肢を検討中の建築設計者、施工管理者、施主の方々に役立ち、建物の寿命を長くする最適な方法を見つけるサポートを行います。

常温粘着工法の基礎知識と特長

常温粘着工法は、火気や溶剤を使用しない「コールド工法」の一種として分類されます。

アスファルト防水が持つ耐久性や水密性の高い性能を維持しつつ、環境配慮型の施工方法を実現した進化した工法です。

常温粘着工法の概要と仕組み

常温粘着工法は、常温で粘着力を発揮する改質アスファルトシート(常温粘着テープ)を使用します。

下地に圧着して防水層を形成します。

改質アスファルトシート: 基材(ガラス繊維や合成繊維の不織布)に、常温で粘着性を持たせる特殊な配合の改質アスファルトを含浸させて作られています。シートの裏面には、施工時に剥がしていく剥離紙/フィルムが付いています。

常温圧着: 熱を加える代わりに、粘着面を下地に乗せ、ローラーなどの機械を使って圧力を加える(常温圧着)ことで、シートと下地を強力に密着させます。

常温粘着工法の製品には、メーカーによって「ガムクール」「ガムクール工法」等の呼称が使われている場合があります。

他のアスファルト防水工法との比較

アスファルト防水には、常温粘着工法の他に「熱工法」と「トーチ工法」の2種類が存在します。

大きな違いは「火気」の使用の有無です。

工法 熱工法 トーチ工法 常温粘着工法
熱の使用 高温の溶融アスファルト(220℃以上) バーナー(炎)でシートを炙り溶かす 火気/熱/溶剤不使用
煙/臭い 多く発生 少し発生 ほとんど発生しない
環境への影響 大きい 中程度 小さい
施工難易度 高い(設備大) 中程度(技術必要) 比較的容易(圧着が重要)

アスファルト防水トーチ工法とは?メリット・価格・耐用年数を徹底解説

 

常温粘着工法のメリット・デメリット

常温粘着工法は、安全性と環境性に優れている点が最大のメリットです。

一方で、留意すべき点(デメリット)も理解しておく必要があります。

常温粘着工法のメリット

1. 火気/臭い不使用で環境負荷を低減

常温粘着工法の最も大きなメリットは、火気を一切使わない点です。

これにより、火災の危険性を大幅に低減できます。

溶融アスファルトの臭い/煙の発生も抑えることが可能です。

病院

学校

住宅街

など、近隣への配慮が必要な現場。

屋内/地下など換気が困難な部位に最適です。

2. 施工時間の短縮と工期の短縮

熱工法で必要な溶融釜の設置/準備/後片付け/加熱時間が不要です。

シートを広げ、剥離紙/フィルムを剥がし、常温圧着するだけの比較的簡単な作業です。

そのため、施工の流れが早く、全体の工期を短縮する効果が期待できます。

3. 耐久性に優れた改質アスファルト材を使用

常温粘着工法で使用されるシートは、

伸びの良いゴムアスファルト

高い耐候性/耐久性/水密性を持たせる改質アスファルト

を基材としています。

そのため、熱工法と同等の高い性能を発揮します。

建物の挙動/動きに対し、追従性が高いため、ひび割れ/亀裂の発生を防ぐ効果も期待できます。

常温粘着工法のデメリット

1. 下地の状態/処理が重要

常温粘着工法は、粘着力のみで密着させるため、下地の状態/処理が他の工法に比べて非常に重要となります。

下地に水分/油分/ゴミ/ホコリ/不陸(平らでない状態)があると、シートが確実に密着しない原因となります。

将来的な防水不良/雨漏りに繋がる可能性があります。

2. 低温時や高湿度時の施工

粘着力は、温度によって影響されやすく、特に低温(5℃以下程度)では、粘着力が低下します。

確実に圧着することが困難になるケースがあります。

そのため、施工に適した温度/湿度などの環境条件を選定する必要があります。

メーカーによって、低温下での対策/専用のプライマー/材料があるかを確認しましょう。

3. 価格がやや高めの傾向

高性能な粘着材や、改質アスファルトを使用したシートを使用しています。

そのため、他の工法/材料と比較して、シート材料費が高くなる傾向があります。

全体の費用は、熱工法/トーチ工法と同等/やや高くなることが多いです。

 

常温粘着工法の正確な施工方法

常温粘着工法で最も重要なのは、下地とシートを完全に密着させることです。

下地処理を徹底し、確実な手順を踏むことが防水性能の確保に繋がります。

常温粘着工法の具体的な施工手順

常温粘着工法の標準的な施工の流れは、以下の通りです。

下地処理/調整

既存防水層の撤去/清掃/乾燥/不陸/ひび割れの補修/調整を行います。

水分/ゴミが残されていると、密着不良/防水性能低下/膨れの原因となります。

プライマー

下地の接着活性を高め、粘着層との密着力を向上させるため、専用のプライマー(水性/溶剤系)を塗布します。

十分に乾燥させます。

シート貼り

シートを下地に広げ、剥離フィルム/紙を剥がしながら、手/ローラーで常温圧着して張り付けていきます。

シートの端部/継ぎ目部分は重ねていきます。

専用のシール材/粘着テープを使って、水の侵入を防ぐ処理を行います。

積層

仕様に応じ、2層/3層にシートを重ねて施工します。

水密性/強度を確保します。

仕上げ

露出防水とする場合は、紫外線による劣化防止のため、保護用のトップコート/遮熱/反射塗料を塗布して完了となります。

常温粘着テープ/シートと建築用粘着テープの違い

常温粘着工法で使われるシート/テープは、一般的な建築用粘着テープとは大きく異なります。

常温粘着工法シート/テープ

防水/耐久性に優れています。

アスファルト系/ゴム系の強力な粘着層と、強靭な基材/補強材(ガラス繊維)を含む、防水層を形成するための積層材料です。

建築用粘着テープ

一時的な養生/仮留/隙間を塞ぐ/シーリング材の代わりなど、補助的な用途が主です。

防水工法の主材としては使われません。

 

常温粘着工法の適用部位と事例

常温粘着工法は、火気を使わない特長を活かし、様々な部位/状況で採用が増えています。

常温粘着工法の主な適用事例

常温粘着工法は、主に以下の部位/状況で最適と判断されます。

屋上/屋根

勾配の緩い/平らな屋根/陸屋根/ビル/マンションの屋上など。改修工事で既存防水層の上に重ねて施工(かぶせ工法)する事例が多いです。

ベランダ/バルコニー

住宅/小規模建物のベランダ/廊下/開放廊下の床。住民への配慮が必要な場合に最適です。

地下/屋内

換気が困難な地下/屋内での防水/防湿/防蟻/防根の目的でも、溶剤臭がない常温粘着工法は、優れています。

断熱材併用

断熱材の上に絶縁工法/通気工法での施工(断熱防水)にも、比較的簡単に対応しています。

コールドジョイント: 建築での関連

コールドジョイントとは、コンクリート打設時、先に打ったコンクリートが硬化し始めている状態で、新しいコンクリートを打ち足した際に、一体化しないで発生する継ぎ目/境界部分のことです。

この部分は、水が浸入しやすい弱点となります。

事前に防水処理を施しておく必要があります。

常温粘着工法のシートは、コンクリートのコールドジョイントなど、既存構造の亀裂/継ぎ目の上に施工されることで、水の浸入を防ぐ機能を発揮します。

建物の保護に重要な役割を果たしています。

 

常温粘着工法の耐用年数と費用相場

常温粘着工法の長所である耐久性と、防水工事を検討中の方々が気になる費用相場について解説します。

常温粘着工法の耐用年数/寿命

常温粘着工法の耐用年数/寿命は、一般的に10年~15年程度とされています。

アスファルト防水の中では、熱工法(15年~25年)トーチ工法(15年~20年)と比較して短い傾向があります。

耐用年数/寿命は、以下の要因によって大きく変動します。

施工品質

下地処理と、常温圧着が確実に行われているか。

継ぎ目/端部/立ち上がり部/部位の納まりが適切かどうか。

仕上げ

露出防水/保護コンクリート仕上げのどちらの仕様か。

露出防水は、紫外線/熱/外部からの影響を受けます。

劣化しやすい傾向にあります。

メンテナンス

定期的な点検/トップコートの塗り替え/補修を行い続けているかどうか。

常温粘着工法の費用相場

常温粘着工法の施工単価/費用相場は、一般的に1㎡あたり約5,000円~8,000円程度となります。

工法の種類 費用相場(1㎡あたり) 耐用年数 火気使用
常温粘着工法(冷工法) 約5,000~8,000円 10年~15年 なし
熱工法 約6,000~10,000円 15年~25年 あり
トーチ工法 約5,000~8,000円 15年~20年 あり
ウレタン防水(塗膜防水) 約3,500~7,000円 8年~12年 なし

常温粘着工法は、熱工法やトーチ工法と比較して、シート材料費は高い傾向にあります。

大掛かりな設備(溶融釜)が不要なため、全体の工事費用/コストは、抑えられることが期待されます。

正確な費用/価格を知るためには、現地調査/診断を依頼して見積もりを取る必要があります。

 

常温粘着工法の施工の注意点と業者選び

常温粘着工法は、作業効率が良く、安全性に優れている一方、施工時の注意点/デメリット/弱点を理解しておく必要があります。

常温粘着工法の施工時の注意点

1. 下地の乾燥

最も重要: 粘着層が、水分/湿気/水を含んだ下地に密着してしまうと、剥がれ/膨れ/浮きの原因となります。

施工前に、水分/含水率を確認/診断し、十分な乾燥時間を確保してください。

2. 常温圧着

粘着面に対し、専用のローラー/機械を用いる常温圧着の工程は、空気/隙間を残さず、確実な密着を図る/実現するため、非常に重要な作業となります。

3. 端部/継ぎ目

シートの端部/立ち上がり部位/重ね部分は、水の侵入/漏水の原因となりやすいため、専用のシール材/接着剤/粘着テープを使います。

適切に処理し、防水性能を確保してください。

常温粘着工法に強い/優れた施工業者の選び方

常温粘着工法は、比較的施工が簡単とは言え、確実な下地処理/圧着/端部/継ぎ目処理は、専門知識/技術が必要です。

常温粘着工法の施工実績

常温系/冷工法の実績/事例が豊富にあるか/優れているか。

メーカーの認定を受けている業者は、信頼性が高いと言えます。

下地診断

下地の水分の有無/劣化状態を、専用の機械/道具を使って、正確に調査/診断してくれるのか。

適切な処理/補修を提案してくれるか。

保証

施工後の保証期間/内容/定期的な点検/メンテナンスについて、しっかりと明記しているか。

 

常温粘着工法に関するよくある質問

Q. 常温粘着工法は、なぜ熱を使わないのにアスファルト防水の性能が出せるのですか?

A. 常温粘着工法は、アスファルトに特殊な樹脂/合成ゴムを加え、常温でも高い粘着力/接着力を発揮し、かつ、柔軟性/耐久性/耐候性を向上させた「改質アスファルト」をシート材に採用しているためです。

熱を使わず、ローラー/機械的な力/圧力/常温圧着のみで、下地とシートが完全に一体化します。

多層構造を形成することで、高い防水性能/水密性/耐久性を実現しています。

Q. 常温粘着工法は、既存のウレタン防水の上から改修できますか?

A. 既存のウレタン防水層の上に、常温粘着工法のシートを重ねて施工/改修することは、基本的に可能です。

ウレタン層を撤去/剥がして、廃材を出さず、コスト/工期の削減を図ることができます。

しかし、既存層に、大きな膨れ/浮き/劣化がある場合、その他状況による条件次第では、その部分は、部分的に撤去/補修/調整を行います。

下地を確実に平らにする必要があります。

Q. 常温粘着工法は、歩行用/屋上緑化に対応していますか?

A. 常温粘着工法は、様々な仕様で対応/適用が可能です。

歩行: シート層の上に、保護用の押えコンクリート/タイル/床材/板を設ける施工を行います。

屋上緑化: 根の侵入/破断/穴あき/劣化を防ぐため、耐根/防根の機能を持たせた、複合材/高強度/高密度のシート仕様を選択(選定)して施工すること/で、屋上緑化にも対応します。

大阪で業者をお探しの方へ

常温粘着工法は、火気/溶剤を使わず、環境の安全性・工期短縮面で、大きなメリットを持った、時代のニーズに応じ、進化してきた、新しい工法の一つです。

特に、

臭気/煙/火気の発生が心配。

危険性を避けたい。

リスクを抑える必要がある

改修工事の必要性を感じていても、このような課題を抱えている密集地の建物には、最適な工法と言えます。

私たちは、大阪を中心に、アスファルト防水/ウレタン防水/塩ビシート/FRP/常温粘着工法など、様々な防水/塗装/工事に対応しております。

実績/経験/知識が豊富な、専門業者です。

建物の状況。

周辺環境。

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予算などに応じ、最適なプランをご提案しております。

高い防水性

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性能/機能

それぞれについて、わかりやすくご説明をさせていただきます。

長く建物を守る/保護していく。

寿命を長くするには、維持・管理が必須です。

将来の修繕計画に繋がる、施工/工法/選択/選定を提案しています。

また、足場設置や費用の問題を解決し、コストを大幅に削減ことが可能な、足場なし工法の技術にも、優れています。

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