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コラム |
2026.03.01
オフィスの移転や店舗のリニューアル、あるいはマンションの間仕切り変更を検討する際、見積書に「LGS工事」という言葉をよく目にすることでしょう。
LGS壁とは、Light Gauge Steel(ライト・ゲージ・スチール)の略称で、日本語では軽量鉄骨と呼ばれます。
かつての内装工事では木材による骨組みが主流でしたが、
現代のビルや店舗
オフィス内装
においては、このLGSが主役となっています。
燃えにくい
反らない
そして工期を短縮できるといった多くの特徴を持ち、空間を自由自在に仕切るために欠かせない存在です。
この記事では、
LGS壁の基本的な構造
内装工事におけるメリット・デメリット
施工の手順
までを詳しく解説します。
大阪で足場なし工法による外壁塗装から内装のメンテナンスまで幅広く承っている株式会社ディーマンの視点から、建物の価値を高める下地材の知識をお届けします。
LGSとは薄い鋼板を加工した軽量の型鋼を指し、壁や天井の骨組みとして使用される部材であり、現代のオフィス内装工事における標準的な下地材です。
LGSによる壁の骨組みは、主にランナーとスタッドという2種類の部材をパズルのように組み合わせて作られます。
ランナー(受け材): 床と天井の仕上げ面に直接固定する、溝状のレール部材です。壁の位置を決めるガイドの役割を果たし、ここに垂直方向の柱を差し込んでいきます。
スタッド(縦軸材): ランナーの間に一定の間隔(一般的に300mmから450mm)で立てる垂直の柱です。壁の強度を支える芯材となり、石膏ボードを固定するための「面」を作ります。
スペーサ(振れ止め): スタッドがねじれたり、振動で動いたりするのを防ぐために、スタッドの腰高位置に通す補強部材です。これにより、壁全体の剛性が飛躍的に高まります。
これらを組み合わせることで、精度の高い垂直な壁の骨組みが完成します。
木材に比べると部材一つひとつが軽く、大量の搬入が容易なため、高層ビル内の現場でも効率的に作業が進められます。
LGSのスタッドは、断面がアルファベットの「C」の形をしています。
C型チャンネルとも呼ばれます。
この形状は、薄い鋼板でありながら折り曲げ加工によって高い圧縮強度を持たせる工夫がなされています。
また、多くの部材はJIS(日本産業規格)に基づき、鋼板の厚みが0.8mmから1.2mm程度と厳格に規定されています。
この規格化された品質が、建物の耐震性や安全性において、木材よりも数値化しやすい信頼性を生み出しています。
LGSの部材には、あらかじめ一定間隔で丸い穴が開けられています。
これは「通し穴」と呼ばれ、壁の中に電気配線やLANケーブルをスムーズに通すためのものです。
木材のようにドリルで穴を開ける手間が省けるだけではありません。
壁の強度を損なうことなく、オフィスのIT化に必要な複雑な配線インフラを構築することが可能になります。
LGS壁は防火性能が極めて高く、木材のような反りやねじれが発生しないため、長期的に安定した壁面を維持できる点が最大のメリットです。
オフィスビル、商業施設、ホテルといった不特定多数の人が利用する建物では、建築基準法によって厳しい防火制限が課せられています。
LGSは薄い鋼板で作られた不燃材料です。
火災が発生しても燃え広がることがありません。
また、煙や有害ガスの発生を抑える点でも優れております。
避難経路となる廊下の間仕切り壁として最適です。
木材下地に比べて火災のリスクを大幅に軽減できることが、大型建築物でLGSが選ばれ続ける最大の理由です。
天然素材である木材は、湿度の変化によって膨張・収縮を繰り返し、反りやねじれが生じることがあります。
これが原因で壁の表面に貼ったクロスが剥がれたり、石膏ボードにひび割れ(クラック)が入ったりすることが少なくありません。
一方、LGSは工業製品であるため、温度や湿度の影響をほとんど受けず、施工時の垂直・水平精度を長期間保つことができます。
また、シロアリなどの害虫被害を受ける心配がないため、建物のメンテナンスサイクルを延ばし、資産価値を維持することに貢献します。
LGSは現場での加工が非常に容易です。
専用の切断機やハサミで素早くサイズ調整ができます。
ビス留めだけで骨組みが組み上がるため、大工による複雑な加工が必要な木造下地に比べて工期を3割から5割程度短縮できる場合があります。
工期が短くなることは、オフィスの移転や店舗のオープンを急ぐオーナー様にとって大きな経済的メリットとなります。
また、部材自体が軽量なため、搬入時の労力も少なく、人件費の抑制にも直結します。
LGSは解体も比較的スムーズに行えるため、将来的なオフィスの増床やレイアウト変更に柔軟に対応できます。
原状回復が必要な賃貸テナントの場合、木造に比べて部材の分別や廃棄が容易である点も、現代のサステナブルな建築ニーズに合致しています。
リサイクル可能な鋼材を使用しているため、環境負荷を低減できるという点も、法人のお客様から選ばれるポイントの一つです。
LGSは非常に優れた素材ですが、衝撃に対する局所的な凹凸への弱さや、施工に火花を伴う切断作業が必要な場合があるなどのデメリットも存在します。
LGS自体は薄い鋼材で作られているため、重い棚を壁に取り付けたり、ドアを設置したりする箇所には、内部に補強材(下地材)を入れる必要があります。
これを怠ると、ネジが抜けたりボードが割れたりする原因になります。
現場でLGSを切断する際には、高速カッターなどを使用するため、大きな金属音や火花が発生します。
入居中のオフィスや夜間の作業では、周囲への配慮や火気厳禁のルールを徹底することが求められます。
LGS壁を利用することで、会議室や応接室のレイアウト変更を容易に行うことができ、空間の自由度を大幅に高めることが可能です。
LGS下地に石膏ボードを貼り、その上にクロスやタイル、あるいは木目調の装飾を重ねることで、おしゃれなエントランスや応接室をつくることができます。
スタッドの配置をミリ単位で調整できます。
緩やかなカーブを描く「R壁」や、壁の一部をくり抜いてガラスをはめ込む「開口部」の設置も自由自在です。
これにより、単なる仕切りとしての壁ではありません。
企業のアイデンティティを表現する意匠性の高いオフィス設計が可能になります。
オフィスの移転やリニューアルでは、
執務エリア
会議室
リフレッシュルーム
など、それぞれの用途に合わせた性能が求められます。
LGS壁は、その内部構造をカスタマイズすることで、これらの要求に応えます。
集中エリア: 壁の内部に高密度の吸音材を充填し、ボードを二重に貼ることで、外部の雑音を遮断する静かなワークスペースを構築。
役員室・応接室: プライバシー保護のため、床から天井の骨組み(スラブ)までしっかりと壁を立てる「スラブTOスラブ」施工を行い、音漏れを徹底的に防止。
エントランス: 企業のロゴや照明を設置するために、LGS内部に重量物支持用の補強材を組み込み、安全性と美観を両立。
近年のオフィスデザインでは、固定された壁だけではありません。
将来の増員やチーム編成の変化に対応できる「可変性」が重視されています。
LGS壁は、解体や移設が比較的容易です。
数年ごとのマイナーチェンジにも柔軟に対応可能です。
また、WEB会議の普及に伴い、背景となる壁のデザイン性や、マイクのハウリングを防ぐ吸音性能へのニーズが急増しております。
LGS下地をベースにした多機能な壁面構成が選ばれています。
全ての壁をLGSとボードで塞いでしまうと、オフィス全体が暗く圧迫感のある空間になりがちです。
そこで、LGSの骨組みを活かしつつ、視線の高さに合わせて透明ガラスや曇りガラスを組み込む手法が多く採用されています。
これにより、プライバシーを保ちつつも、オフィス全体に自然光を取り入れます。
社員同士の「繋がり」を感じさせる開放的なレイアウトが実現します。
株式会社D-manでは、大阪のオフィスビルや店舗において、外壁塗装だけでなく内装の下地調整やLGSを用いた壁の補修サービスを提供しています。
弊社の特徴である「足場なし工法(ロープアクセス)」は、外壁のメンテナンスに特化していますが、実はビル全体の管理において内装の状況把握も不可欠です。
窓際や躯体(くたい)周りの湿気によりLGSが錆びていないか、ボードに割れがないかを、外と内の両面からチェックできるのは、総合的な経験を持つ私たちの強みです。
LGS壁の内部にグラスウールなどの断熱材や吸音材を入れることで、プライバシーに配慮した会議室や静かな執筆ルームを構築できます。
単に壁を作るだけでなく、内部に適切な材料を入れることで、機能性が飛躍的に向上します。
特に会議室や役員室など、音が漏れてはいけない空間では、ボードを二重に貼る(ダブル貼り)などの仕様変更を行い、遮音性能を高めるケースが多いです。
LGS壁の施工は、墨出しから始まり、ランナーの取り付け、スタッドの設置、ボード貼り、そして仕上げという明確な工程を経て完成します。
まず、床や天井に「墨出し」を行います。
正確な壁の位置を決めます。
次に、ボルトやアンカーを用いてランナーを固定。
スタッドを300mmから450mmのピッチで立てていき、振れ止めを設置して安定性を高めます。
LGS壁の設置費用は、施工面積や壁の高さ、内部に充填する材料の有無、仕上げのクロスのグレードによって大きく変わるため、事前の見積りが不可欠です。
一般的には1平米あたりの単価で計算されますが、ドアの移設や電気配線の引き回しが伴う場合は、その分の料金が追加されます。原状回復が必要な賃貸テナントなどの場合は、解体のしやすさも考慮した設計が推奨されます。
LGSはシロアリの被害に遭わず、湿気による腐食の心配が少ないため、マンションやビルの長寿命化に貢献する素材として選ばれています。
木材は天然素材ゆえに「動き」がありますが、LGSは工業製品であるため品質が一定です。特に大阪のような都市部のビル内装では、防火制限により木材の使用が制限される場面も多く、LGSの独壇場となっています。
LGS壁に関する疑問や施工の際の注意点について、専門家の視点からお答えします。
Q1. LGS壁に重いテレビを掛けられますか?
A. はい、可能です。ただし、スタッドに直接ビスを打つか、壁内部に合板などの補強下地を入れる必要があります。
Q2. DIYでLGSを扱うことは難しいですか?
A. 金属を切断する工具や、スタッドを固定する技術が必要なため、一般の方には少しハードルが高いかもしれません。
Q3. LGSは錆びませんか?
A. 亜鉛メッキ処理が施されているため錆びにくいですが、結露が激しい場所や水回りでは腐食の可能性があるため、適切な湿気対策が求められます。
LGS下地は表面のボードを貼り替えるだけで、石膏ボード+壁紙、タイル、木質パネルなど、さまざまなバリエーションを楽しむことができます。
オフィスビルのエントランスには高級感のある石材、会議室には吸音パネル、ジムなどの施設には丈夫な強化ボードなど、用途に応じた組み合わせが自由です。
LGS壁は内部が中空であるため、電気配線やLANケーブル、水道の配管を通すことが非常に容易で、オフィスのIT化に適しています。
スタッドには最初から配線を通すための穴が開いていることが多く、壁の中に隠蔽配線を行うことがスムーズです。これにより、配線が露出しないすっきりとした空間が実現します。
LGS(軽量鉄骨)壁は、その軽さ、強さ、そして防火性能によって、現代のオフィスや店舗を支える重要なインフラです。正しい知識を持って内装工事を行うことで、安全性とデザイン性を両立させた理想の空間を手に入れることができます。
大阪でビルや店舗のメンテナンスにお悩みなら、外壁から内装まで知り尽くした株式会社D-manへぜひご相談ください。お客様のニーズに合わせ、LGSを活用した最適なリニューアルプランを提案いたします。