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コラム |
2025.06.03
「外壁塗装の見積もりを見たら、『下塗り』って項目があるけど、これって本当に必要なの?」
「上塗り塗料は色々選べるみたいだけど、下塗り塗料ってどれを選べばいいんだろう…」
もしあなたが、外壁塗装における「下塗り塗料」について、そんな疑問や不安をお持ちなら、まさにこの記事がお役に立ちます。
外壁塗装の主役は、色や機能を選ぶ楽しい「上塗り塗料」だとお考えかもしれません。
しかし、実はその美しい仕上がりや塗膜の耐久性を支えるのは、地味に見える「下塗り」の存在なのです。
下塗りは、まさに建物の「お化粧下地」。
どんなに高価なファンデーション(上塗り塗料)を使っても、下地が整っていなければ、美しい仕上がりは期待できません。
すぐに崩れてしまいますよね。
この「下塗り」の重要性を知らずに
業者任せにしてしまった
安易に費用を削ってしまった
こんなことをすると、
せっかくの塗装が早期に剥がれた
色ムラが発生した
ひび割れが再発した
といったトラブルに繋がりかねません。
この記事では、大阪の地域密着型外壁塗装専門業者である私たちが、
なぜ下塗りが必要なのか?その重要な役割
シーラー、プライマー、フィラーといった下塗り塗料の種類と選び方
外壁材ごとの最適な下塗り塗料は?
気になる下塗り塗料の費用相場
「下塗りを塗らない」と起こる恐ろしい結末
といった、外壁塗装の要となる「下塗り塗料」に関するあなたの疑問を解消するために、分かりやすく徹底的に解説します。
この記事を最後までお読みいただければ、外壁塗装の「土台」となる下塗りの知識が身につきます。
あなたの家を長く美しく保つための失敗しない塗装工事を実現できるはずです。
外壁塗装は、一般的に「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りが基本です。
この最初の工程である「下塗り」は、塗膜の性能を最大限に引き出すために、決して欠かすことのできない非常に重要な役割を担っています。
下塗りの主な役割は以下の通りです。
下塗り塗料は、劣化した外壁材(下地)の表面を均一にします。
上塗り塗料がしっかりと密着するための「接着剤」のような役割を果たします。
この密着性が悪いと、どんなに良い上塗り塗料を使っても、塗膜が早期に剥がれてしまう原因となります。
劣化した外壁材は、塗料を吸い込みやすくなっています。
特に、チョーキング(白い粉が手につく現象)やひび割れがある外壁は顕著です。
下塗り塗料を塗ることで、この吸い込みを均一に抑えます。
上塗り塗料がムラなく塗れるように調整します。
吸い込みが均一でないと、色ムラが発生したり、上塗り塗料が本来の性能を発揮できなかったりします。
下地の状態を調整する(下地調整 劣化が激しい外壁材は、表面が脆くなったり、ひび割れたりしていることがあります。
下塗り塗料の中には、これらの下地の状態を補強し、平滑にする機能を持つものもあります。
上塗り塗料の発色を良くする 下塗り塗料は、上塗り塗料の色が美しく発色するためのベース(下地)となります。
特に濃い色や鮮やかな色の塗料を塗る際に、下塗りがしっかりと行われていることで、上塗り塗料が持つ本来の色を再現できます。
もし下塗りを怠ったり、不適切な下塗り塗料を選んだりすると、以下のような深刻なトラブルに繋がります。
密着性が悪いため、数年で塗膜がパリパリと剥がれてきたり、プクッと膨れてきたりします。
下地の吸い込みが均一でないため、塗料が部分的に吸い込まれてしまいます。
色が不均一になります。
上塗り塗料の性能が十分に発揮されず、本来の寿命よりも早く劣化が進行します。
下地調整が不十分だと、小さなひび割れがすぐに再発してしまうことがあります。
下塗りは、まさに外壁塗装の「縁の下の力持ち」。
この工程を適切に行うことで、塗装全体の耐久性が大きく向上します。
結果的に長持ちする美しい外壁を維持できるのです。
下塗り塗料には、主に「シーラー」「プライマー」「フィラー」の3つの種類があり、それぞれ役割や適する外壁材が異なります。
密着性向上・吸い込み止め 「Seal(封をする)」という言葉が語源の通り、下地の表面を固め、上塗り塗料との密着性を高め、下地の吸い込みを均一にする役割があります。
水のようなサラサラとした液体で、浸透性が高いのが特徴です。
適している下地
サイディングボード(窯業系サイディング)
モルタル
コンクリート
など、比較的状態の良い吸水性のある下地。
種類
水性シーラー: 臭いが少なく、環境に優しい。一般的に幅広く使用されます。
油性(溶剤)シーラー: 強力な密着性があり、旧塗膜のチョーキングがひどい場合や、頑固な下地、脆弱な下地に適しています。臭いが強めです。
カチオン系シーラー: 既存の塗膜を溶かしにくく、様々な塗膜との相性が良いのが特徴です。
プライマー(Primer):接着促進・錆止め 「Prime(最初)」という意味の通り、塗装の最初の工程で使う塗料全般を指すこともあります。
特に金属下地への接着促進や錆止めの機能を持つものを指すことが多いです。
適している下地: 金属系の外壁(金属サイディング、ガルバリウム鋼板)、鉄部、非鉄金属など。
役割: 金属の防食効果(錆止め)、上塗り塗料との密着性向上。
フィラー(Filler)/微弾性フィラー(Microelastic Filler):下地調整・ひび割れ補修 「Fill(埋める)」という言葉が語源の通り、下地の微細な凹凸やひび割れを埋め、平滑にする役割を持つ塗料です。
粘度が高く、厚膜に塗布することで、下地調整効果を高めます。
適している下地: モルタル壁、ALC(軽量気泡コンクリート)など、微細なひび割れや凹凸が多い下地。
微弾性フィラーの特徴: 弾性(伸縮性)があるため、塗膜がひび割れに追従しやすく、ヘアクラック(髪の毛のような細いひび割れ)の再発を防ぐ効果が期待できます。
防水性も高めることができます。
役割:
下地の表面を滑らかにする
微細なひび割れをカバーする
外壁の強度を補強する
防水性を高める
外壁材の種類 | 主な下塗り塗料の種類 | ポイント |
---|---|---|
窯業系サイディング | シーラー(水性・油性・カチオン系)、またはフィラー | チョーキングがひどい場合は油性シーラーやカチオン系シーラーで固める。ひび割れが多い場合は微弾性フィラーも検討。 |
モルタル | フィラー、微弾性フィラー | 微細なひび割れが多いモルタル壁には、追従性の高い微弾性フィラーが最適です。下地の吸い込みを止める効果も高いです。 |
ALC | フィラー、微弾性フィラー | モルタルと同様に、吸水性が高く、ひび割れが発生しやすい下地のため、微弾性フィラーが推奨されます。 |
金属サイディング | プライマー、金属用シーラー | 錆の発生を抑える防錆効果のあるプライマーが必須です。 |
コンクリート | シーラー、フィラー、微弾性フィラー | 下地の状態に応じて選択します。吸い込みが激しい場合はシーラー、ひび割れがある場合はフィラーや微弾性フィラーを。 |
下塗り塗料は、その後に塗る上塗り塗料の種類(アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、ラジカル制御など)との相性も非常に重要です。
相性が悪い塗料を選ぶと、せっかくの下塗りの効果が発揮されなかったり、塗膜の剥がれや膨れなどのトラブルの原因となります。
専門業者であれば、使用する上塗り塗料に合わせて最適な下塗り塗料を選定してくれます。
下塗り塗料の色は、一般的に「白」や「クリア(透明)」が主流です。しかし、最近では色付きの下塗り塗料も存在し、それぞれに役割があります。
最も一般的: 上塗り塗料の色を邪魔せず、綺麗に発色させるベースとなります。
塗り残し確認: 白い下地の上に色付きの上塗り塗料を塗ることで、塗り残しがないかを確認しやすくなります。
現在の外壁の色を活かしたい場合: 外壁の模様や色を残したい場合に選ばれますが、下地の吸い込みムラの補正や発色性向上効果は限定的です。
上塗りの発色を助ける: 特に濃い色の上塗り塗料を塗る際に、下地の色が濃いと上塗りの発色が悪くなることがあります。上塗りの色に近い淡い下塗り塗料を使うことで、発色を助け、塗り回数を減らせることもあります。
塗り残し確認: 白同様、上塗りの色とのコントラストで塗り残しを確認しやすくなります。
下塗りの色も、業者と相談して、上塗り塗料との相性や外壁の仕上がりを考慮して選ぶと良いでしょう。
下塗り塗料の費用は、種類やメーカーによって異なります。
外壁塗装工事全体の費用から見ると、材料費自体は上塗り塗料よりも比較的安価な傾向にあります。
一般的な下塗り塗料の材料費の相場(1平方メートルあたり)は以下の通りです。
ただし、この費用はあくまで塗料の材料費のみです。
外壁塗装の見積もりでは、下塗り工程全体として「下地調整費」や「下塗り施工費」として計上されることが多いです。
この中には材料費だけでなく、職人の人件費やその他の諸経費が含まれます。
外壁塗装全体の費用相場(3回塗り合計)は、
使用する上塗り塗料や外壁材
劣化状況
によって大きく異なります。
1平方メートルあたり約2,000円~5,000円が目安です。
その中で、下塗り工程が占める割合は、全体の約10%~20%程度と言われることが多いです。
「下塗りだから安く済ませたい」と考える方もいらっしゃいます。
これは非常に危険な考え方です。
下地の状態に合わない安価な下塗り塗料を選んだり、塗布量をケチったりすると、前述の通り、塗装のトラブルや早期剥がれに繋がります。
結果として、塗り直しが必要になり、かえってコストがかさんでしまうことになります。
下塗り塗料は、上塗り塗料の性能を最大限に引き出すために、高品質なものを選びましょう。
適切な量を塗布することが重要です。
外壁塗装における下塗り工程は、上塗り塗料の性能を最大限に引き出すための重要な準備段階です。
プロの業者が行う一般的な工程を見ていきましょう。
塗装前に、外壁に付着した汚れ、カビ、コケ、古い塗膜の浮きなどを強力な水圧で徹底的に洗い流します。
この工程が不十分だと、下塗り塗料が下地にしっかりと密着せず、塗膜の剥がれの原因となります。
外壁のひび割れ(クラック)、欠損、浮き、剥がれなどを補修します。
ひび割れにはコーキング材を充填したり、モルタルなどで補修したりします。
この補修作業をしっかり行わないと、上から塗装してもすぐにひび割れが再発したり、雨水の浸入経路になったりします。
塗装しない窓やドア、地面などに塗料が付着しないよう、ビニールシートなどで丁寧に養生します。
高圧洗浄と下地補修で整えられた外壁材に、選定された下塗り塗料を均一に塗布します。
外壁材の吸い込みが激しい場合や、耐久性を高めたい場合は、2回塗りを行うこともあります。
下塗り塗料の種類やメーカーによって定められた適切な乾燥時間を確保することが非常に重要です。
乾燥が不十分なまま次の工程に進むと、塗膜の膨れや剥がれの原因となります。
下塗りの乾燥後、上塗り塗料の1回目を塗布します。
これにより、塗膜に厚みを持たせ、色ムラを防ぎ、上塗り塗料の性能を最大限に引き出します。
中塗りの乾燥後、仕上げとして上塗り塗料の2回目を塗布します。
これで外壁塗装の主要な工程は完了です。
下地補修や乾燥時間など、一つ一つの工程を丁寧に、適切な時間と手順で行うことが、塗装の品質と寿命を大きく左右します。
「下塗りくらいなら自分でできる?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、外壁塗装、特に下塗り工程のDIYは絶対に推奨できません。
高所作業の危険性
外壁塗装は高所作業です。
転落事故は命に関わります。
安全な足場がない状態での作業は非常に危険です。
適切な下地判断と塗料選定の難しさ
外壁材の種類
劣化の状態(チョーキングの度合い、ひび割れの深さ、旧塗膜の種類など)
を見極めましょう。
それに合った最適な下塗り塗料(シーラー、プライマー、フィラーのどれを使うか、水性か油性かなど)を選定するには、専門知識と経験が必要です。
均一な塗布技術
下地への吸い込みムラを防ぎます。
上塗り塗料が均一に発色するように、下塗り塗料をムラなく均一に塗布する技術が必要です。
素人が行うと、塗り残しや塗りムラが発生します。
仕上がりの悪さや早期剥がれに繋がります。
乾燥時間の管理
塗料の性能を最大限に引き出すためには、メーカーが指定する適切な乾燥時間を厳守する必要があります。
季節や天候によって乾燥時間は変動するため、適切な管理が必要です。
保証がない
DIYで行った塗装には、当然ながら施工後の保証がありません。もしすぐにトラブルが発生しても、すべて自己責任となります。
せっかくの塗装工事を失敗させないためにも、下塗りを含む外壁塗装の全工程は、専門知識と経験を持つプロの業者に任せるのが最も安心で確実な方法です。
外壁塗装後に以下のようなトラブルが見られた場合、下塗りが不適切だった可能性が考えられます。
早期の塗膜剥がれ
塗装後数年で、広範囲にわたって塗膜がパリパリと剥がれてくる場合。
塗膜の膨れ
塗装面に水ぶくれのような膨らみができる場合。
目立つ色ムラ
塗装後も外壁全体の色が不均一に見える場合。
ひび割れの再発
塗装後すぐに補修したはずのひび割れが再発する場合。
これらの異変に気づいたら、絶対に放置せず、すぐに外壁塗装の専門業者に点検を依頼しましょう。
原因を特定しましょう。
適切な補修を行うことで、さらなる劣化や雨漏りなどの被害を防ぐことができます。
この記事では、外壁塗装において見過ごされがちな「下塗り塗料」の重要な役割について詳しく解説しました。
下塗りは、上塗り塗料の性能を最大限に引き出します。
塗膜を長持ちさせ、美しい仕上がりを保つための、まさに「土台」となる工程です。
下塗りを適切に行うことで、塗装の耐久性が大きく向上します。
結果的に住まい全体の寿命**を延ばすことに繋がります。
「うちの外壁、そろそろ塗装の時期かな?」
「下地の状態が気になる」
「下塗り塗料についてもっと詳しく知りたい」
そんな疑問やご希望をお持ちでしたら、ぜひ一度、大阪の地域密着型外壁塗装専門業者である私たちにご相談ください。
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下塗りの重要性を理解し、失敗しない塗装工事を実現するために、ぜひ私たちにご相談ください。