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コラム |
2025.07.01
外壁塗装を検討する際、塗料の種類や色の選択はもちろんのこと、「艶あり」にするか「艶なし(マット)」にするか、という「艶」の有無も家の印象を大きく左右する重要なポイントとなります。
「艶あり」は新築のようなピカピカとした光沢が特徴です。
「艶なし」は落ち着いたマットな質感が魅力です。
どちらを選ぶかで、住宅の外観の雰囲気はガラリと変わります。
しかし、見た目の好みだけで選んでしまうと、後々「こんなはずじゃなかった」と後悔することになる可能性もゼロではありません。
それぞれの艶が持つ特徴だけではありません。
耐久性や汚れにくさなどの機能面での違いも理解しておく必要があります。
今回の記事では、「外壁塗装の艶あり塗料と艶なし塗料のメリット・デメリットを徹底比較します。
美観や耐久性
メンテナンス性
など、多角的な視点からそれぞれの特徴を解説します。
お客様の家に最適な艶の選び方を詳しく紹介します。
外壁塗装で理想の仕上がりを実現し、長く安心して暮らすための参考としていただければ幸いです。
外壁塗装における「艶」とは、塗膜の表面が光をどれくらい反射するか、その度合いを指します。
塗料は、もともと艶がある状態で製造されることが多く、それを艶消し剤を混ぜることで艶の度合いを調整します。
艶の度合いは数字で表され、全艶あり(100%)から艶消し(0%)まで様々な段階があります。
一般的には、以下のように分類されます。
最も光沢が高く、ピカピカとした仕上がりです。新築のような輝きが特徴です。
全艶ありよりも少し落ち着いた光沢で、上品な印象を与えます。
半光沢とも呼ばれ、適度な艶がありながらも、光の反射が抑えられたバランスの良い艶です。
ほとんど艶がないように見えますが、少しだけ光沢を感じる程度です。落ち着いた雰囲気を出したい場合に選ばれます。
全く光沢がなく、マットな質感です。重厚感や高級感を演出できます。
塗料メーカーによっては、これらの分類が多少異なることもあります。
希望する仕上がりのイメージに合わせて、業者に見本を見せてもらいながら選ぶことが大切です。
艶は見た目だけでなく、塗料の性能にも影響を与えます。
一般的に、艶がある塗料ほど塗膜が緻密で硬くなります。
耐久性や防汚性が高い傾向にあります。
艶消し塗料は、艶を調整するために添加される艶消し剤の影響で、塗膜の表面に微細な凹凸ができます。
光沢が抑えられます。
この凹凸が、汚れを付着させやすくしたり、塗膜の劣化を早めたりする原因となる場合もありました。
しかし、現在では技術が向上します。
艶なしでも高い耐久性や防汚性を持つ塗料も多く販売されています。
そのため、艶の有無だけで一概に性能を判断するのは難しいです。
艶あり塗料は、その名の通り、塗膜に光沢があります。
ピカピカとした仕上がりが特徴です。
新築のような輝きを好み、建物の外観に清潔感と高級感を求める方に選ばれることが多いです。
しかし、見た目だけでなく、機能面でもメリットとデメリットが存在します。
艶あり塗料の主なメリットは以下の通りです。
高い耐久性
艶がある塗料は、塗膜の表面が滑らかで、密度が高いため、紫外線や雨風などの外部からの影響を受けにくい特徴があります。
そのため、塗膜の劣化が進みにくく、長い期間にわたって外壁を保護することが可能です。
耐用年数が長くなる傾向にあります。
汚れが付きにくい・落ちやすい
表面が滑らかで凹凸が少ないため、砂埃や排気ガス、カビやコケなどの汚れが付着しにくいです。
もし汚れが付着しても、雨水で流れやすく、高圧洗浄機などで清掃する際にも汚れが落ちやすいというメリットがあります。
メンテナンスの手間を抑えたい方には良い選択肢となるでしょう。
新築のような美しい仕上がり
塗装後は、新築のような鮮やかで清潔感のある外観を取り戻すことができます。
光沢があるため、光の当たり方によって表情が変わります。
建物全体が明るく見えます。
美観を重視する方には最適です。
一方で、艶あり塗料には以下のデメリットもあります。
光沢が強すぎる場合がある
塗装直後は特に、人によっては光沢が強すぎると感じ、安っぽく見えてしまうことがあります。
特に、和風の建物や、周辺の景観に馴染ませたい場合には、浮いてしまう可能性も考えられます。
この点はお客様の好みに大きく左右されるため、事前にしっかりと検討する必要があります。
経年で艶が落ちてくる
艶あり塗料も、時間の経過とともに紫外線や雨風の影響で徐々に艶が失われていきます。
これを「艶落ち」と言います。
艶が落ちるスピードは塗料の種類や環境によって異なりますが、最終的には艶なしのような状態に近づいていきます。
この変化を「劣化」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
艶なし塗料は、その名の通り、光沢を抑えたマットな質感が特徴です。
落ち着いた雰囲気
重厚感
高級感
を演出したい場合に選ばれることが多いです。
最近の新築住宅でも人気が高まっている選択肢です。
艶なし塗料の主なメリットは以下の通りです。
落ち着いた重厚感と高級感
光沢がないため、落ち着いた雰囲気
壁の質感を引き出す重厚感
そして上品な高級感
を演出できます。
特に、
和風の建物
自然素材の外壁
モダンなデザイン
の住宅によく馴染みます。
周囲の景観とも調和しやすいというメリットもあります。
光の反射を抑える
日当たりが非常に良い場所
周囲の建物に光が反射して迷惑をかけてしまうことを避けたい場合
に適しています。
光を吸収するため、眩しさを感じさせず、穏やかな印象を与えます。
汚れが目立ちにくい色もある
一見、マットな表面は汚れが付きやすいように思われがちですが、艶がないため、光の反射が少なく、砂埃や軽度な汚れが目立ちにくいという意外なメリットもあります。
ただし、凹凸がある場合はその限りではありません。
一方で、艶なし塗料には以下のデメリットもあります。
艶ありに比べて機能性が劣る場合がある
かつては、艶消し剤を混ぜることで、塗膜の表面が微細に荒れるため、一部の艶なし塗料は、艶あり塗料に比べて耐久性や防汚性が劣る場合がありました。
しかし、現在では技術の進歩により、高い機能性を持つ艶なし塗料も多く登場しています。
塗料選びの際には、艶の有無だけでなく、塗料の種類やメーカーの性能を確認することが重要です。
塗料の種類が少ない
艶なしにできる塗料の種類は、艶ありに比べてまだ少ない傾向にあります。
特に、フッ素塗料や無機塗料など高耐久の塗料で艶なしを希望する場合は、選択肢が限られることもあります。
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汚れが奥に入り込む可能性がある
表面の凹凸が汚れをキャッチしやすく、一度汚れが奥に入り込むと、雨水で流れにくく、清掃に手間がかかることもあります。
カビやコケも発生しやすい傾向にあるため、定期的なメンテナンスがより重要になります。
外壁塗装で「艶あり」か「艶なし」かを選ぶ際、後悔しないためには、見た目の好みだけでなく、様々な要素を総合的に考慮する必要があります。
ここでは、後悔しない選び方のポイントを詳しく解説します。
最も重要なのは、建物全体のデザインとコンセプトに合わせることです。
例えば、モダンでシャープな印象の住宅であれば、全艶ありのピカピカとした仕上がりが合うかもしれません。
一方、和風の住宅や、自然素材を多用した建物、あるいは落ち着いた雰囲気を求める場合は、艶なしや3分艶などがより馴染むでしょう。
現在の外壁がサイディングの場合、艶の有無で模様の見え方も変わることがあります。
新築時の状態を思い出し、どのような印象にしたいのかを明確にすることが大切です。
外壁塗装は、自分の家だけでなく、周囲の景観にも影響を与えます。
特に、日当たりが良い場所では、艶あり塗料が光を強く反射し、近隣に迷惑をかけてしまう可能性も考慮する必要があります。
また、周囲の家がほとんど艶なしの落ち着いた外壁である場合、自分の家だけがピカピカしすぎて浮いてしまうことも考えられます。
周囲の環境との調和を図ることも、満足のいく仕上がりにつながるポイントです。
艶の有無は、汚れの目立ちやすさやメンテナンス性にも影響します。
一般的に、艶あり塗料は表面が滑らかなため汚れが付きにくく、雨水で流れやすい特徴があります。
対して、艶なし塗料は微細な凹凸があるため、汚れが奥に入り込みやすく、一度付着すると清掃に手間がかかることもあります。
ただし、最近の高機能な艶なし塗料は、防汚性が向上しているものも多いです。
ご自身のメンテナンス頻度や、汚れへの許容度合いを考慮して選びましょう。
塗料の見本は、小さな板に塗られているため、実際の外壁に塗布した際の印象とは異なることがほとんどです。
特に、艶の度合いは光の当たり方や見る角度によって大きく変わるため、小さなサンプルだけで判断するのは危険です。
必ず、A4サイズ程度の大きな見本を用意してもらい、実際の外壁に当てはめて日中と夜間、晴れの日と曇りの日など、様々な条件で確認しましょう。
最近では、塗装業者が提供するカラーシミュレーションを利用して、完成イメージを把握することも可能です。
これらを最大限に活用し、納得のいく選択を行いましょう。
最終的な判断に迷ったら、外壁塗装の専門業者に相談しましょう。
プロのアドバイスを受けることが最も確実です。
経験豊富な職人や営業担当者は、建物の構造や立地、お客様の好みを考慮した上で、最適な艶の度合いや塗料の種類を提案してくれます。
無理に特定の艶や塗料を勧めるのではなく、お客様の疑問や悩みに寄り添い、丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
外壁塗装の「艶」については、お客様から様々な疑問が寄せられます。
ここでは、よくある質問に答える形で、さらに詳しい情報を提供します。
A1: かつては、艶なし塗料は艶あり塗料に比べて耐久性が劣る傾向にありました。
これは、艶を消すための艶消し剤が塗膜の表面を弱くする要因となっていたためです。
しかし、現在では技術が大きく進歩し、高い耐久性と防汚性を両立した艶なし塗料も多く販売されています。
特に、フッ素系や無機系などの高耐久塗料をベースにした艶なし塗料であれば、艶あり塗料と遜色ない、あるいはそれ以上の性能を持つものも存在します。
大切なのは、塗料の「艶の有無」だけで判断するのではなく、塗料の「種類(樹脂の種類)」や「メーカーの製品情報」をしっかりと確認することです。
A2: 一概には言えません。確かに、艶なし塗料の微細な凹凸は、砂埃などの軽い汚れをキャッチしやすい側面があります。
しかし、艶がないため、光の反射が少なく、影になることで、かえって汚れが目立ちにくいというメリットもあります。
特に、濃い色や中間色の艶なし塗料は、汚れが目立ちにくい傾向にあります。
一方で、カビやコケなどは艶なしの凹凸部分に付着しやすく、繁殖しやすい環境となる場合があるので注意が必要です。
防藻・防カビ機能を持つ塗料を選ぶなどの対策も有効です。
A3: 塗装工事の途中で艶の度合いを変更することは、基本的に難しいです。
艶の度合いは、塗料が作られる段階で調整されているか、現場で艶消し剤を混ぜることで決まります。
一度塗装した後に艶を変更するには、もう一度上塗りの塗装を行う必要があり、追加費用が発生します。
そのため、契約前にサンプルやシミュレーションを使って、慎重に艶の度合いを選ぶことが重要です。
もし、塗装後に「やはり艶が強すぎる」と感じた場合は、艶消しクリアを塗布する方法も一部では可能ですが、これも追加費用や塗料との相性の問題が生じる可能性があるため、専門業者に相談してください。
A4: 一概に艶消し塗料が高いというわけではありません。
塗料の価格は、艶の有無よりも「塗料の種類(樹脂の種類)」や「メーカー」、「性能(耐用年数や付帯機能など)」によって決まります。
例えば、アクリル系の艶なし塗料は安価ですが、フッ素系や無機系の高耐久艶なし塗料は高価です。
艶の調整に手間がかかる分、多少価格に上乗せされることはあるかもしれませんが、それが大幅な価格差を生むほどではありません。
見積もりの際に、艶の有無で価格が大きく変わる理由を業者に詳しく説明してもらいましょう。
外壁塗装における「艶」の選択は、単なる見た目の問題だけでなく、耐久性やメンテナンス性など、機能面にも深く関わる重要な決定です。
艶あり塗料は新築のような輝きと高い機能性を持ち、艶なし塗料は落ち着いた重厚感と上品な印象を与えます。
どちらにもメリット・デメリットがあります。
ご自身の好み
建物のデザイン
周囲の環境
そしてメンテナンスに対する考え方
を総合的に考慮して選ぶことが大切です。
この記事で解説した主なポイントは以下の通りです。
艶は光沢の度合いを指し、全艶ありから艶消しまで様々な段階がある。
艶あり塗料は耐久性や防汚性に優れ、新築のような輝きが魅力。
艶なし塗料は落ち着いた重厚感と高級感を演出し、光の反射を抑える。
後悔しない選び方のポイントは、建物のデザイン、周囲の環境、メンテナンス性、そしてサンプルやシミュレーションでの確認。
専門業者に相談し、プロのアドバイスを受けることが最も確実な選択につながる。
私たちは、外壁塗装の専門業者として、お客様一人一人のご要望に寄り添い、理想の仕上がりを実現するために尽力しています。
豊富な知識と経験を持った職人が、
艶の有無による見え方の違い
それぞれの塗料の特性
について詳しく説明しております。
お客様の家に最適なプランをご提案させていただきます。
「艶ありと艶なしで迷っている」
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